
Speedmaster
PROFESSIONAL
MD145.034 MARKU
| 1969年にスピードマスター・プロフェッショナルが人類初の月面着陸に同行したその年に、プロフェッショナルとは異なるアプローチの時計としてマークIIがラインナップされました。 搭載されているムーブメント(cal.861)や基本的なダイアル配置などはプロフェッショナルと同様のものの、決定的に異なるのはそのケース形状です。マークII・ケースの最大の特徴は、主に航空時計などに採用されたラグがケースの内側に隠れる(複雑な計器類に引っ掛けない為)樽型(トノー型)のケースを採用している事です。 一見するとこのマークIIのケース、スピマス・プロに比べ非常に厚めかつ大きめに見えますが、実際は厚さの違いは殆どありません。 マークIIのケースが厚く見える最大の原因は、タキメーター一体式の風防まで続くケースの形状にあります。 |
<ゴールドカップのマークIIです。2002年初夏にカナダから購入。私にとって2本目のスピマスでした。独特な文字盤に一目惚れでした。当時のものと思われるバンド、箱付きでした。> |
<写真では殆ど黒に見えるベゼルですが、実際には柔らかいワインレッドに近い色です。またケースの仕上げも、表面の放射状ヘアー仕上げ・エッジの鏡面仕上げ・そしてサイドのヘアーと3種の異なるフィニッシュがなされています。> |
<プッシャーもリューズも金色のものが使用されています。またオメガマークは60年代に多用された縦長・アブライトのものです。またこの時代特有の放射線状のヘアーライン仕上げが非常に美しいです。> |
<裏蓋にはシーホースと”SPEEDMASTER”の刻印のみ。しかしこの裏蓋には、実に簡単に擦り傷がついてしまいます。(残念)> |
このケース形状による厚みの演出は、いわゆるスピマスプロの風防の盛り上がり部分まで、ケースの外周ラインを上げている為に、ケース自体が非常に肉厚かつ重厚な印象を与えているようです。実際スピマスプロと並べて比べてみますと、横幅・厚みは同等ですが、全長はマークIIのケースの方が若干短いようです。 またケース形状が異なる為か、裏蓋の形状も通常のスピマスプロとは完全に異なる形状をしています。 69年以降の発売ながらも、裏蓋には”THE FIRST WATCH...”の刻印は無く、4thモデルまでに刻印されていた、浅目のシーホース及び”SPEEDMASTER”の刻印のみとなっています。 また裏蓋を開けると通常のスピマスプロにはムーブメントを保護する目的のインナーカバーが現れますが、マークIIにはこのインナーカバーが省略されています。 またムーブメントの固定方法もプロのものとは異なります。 |
<もう説明不要のスピマス永遠の定番カリバー、cal.861。70年代初頭のものには現在の裏スケモデルと同様、ブレーキレバーにプラスティックパーツがまだ使用されていません。> |
<裏蓋の内側の刻印。刻印の内容は上からオメガマーク、メイドイン・スイスの記載、そして20ミクロンのゴールドカップを示す刻印、定番のレフナンバーが刻印されています。> |
| マークIIにはいくつものバリエーションが存在し、このMD145034もそのうちの一つ、ケースに14k・20ミクロンの金を貼り付け、ダイアルもケース同様の金色のものが使用され、通常のマークIIとは趣が異なっています。 特に特徴的なのがダイアルで、アブライトのオメガマーク、インデックス。そしてインダイアルの数字が円周に並ぶ非常にユニークなものとなっています。インダイアルのプリントは右から、30分計は5分刻み、12時間積算計は1時間刻み、そしてスモールセコンドは10秒刻みのプリントとなっています。 時分針も70年代前半のものは短針が太目で短めのもの、70年代後半のものは短針と長針が同じ太さのものが使用されていたようです。 金色のケースと絶妙のマッチングのマルーン色のベゼルですが、この色合いは69年に発売されたスピマスプロ金無垢限定モデルにも通じるものです。 このマルーン色のベゼル一体型のミネラル風防は入手が困難なようで、後に通常の黒色のベゼルに取り替えられているものを良く目にします。 |
<この時代特有の赤金メッキ仕上げのムーブメント。このムーブは美しい桜色をしています。赤金メッキは時代、固体により色、輝きが異なるようです。> |
<この写真では残念ながら写しこむことが出来ませんでしたが、ラグ面の中心に20ミクロンの金貼りである事を示す刻印があります。> |
<マークII特有の樽型ケースの塊感が何ともいえません。実際に装着すると重量級であることは否めませんが、時計自体の座りは良く、あまり重さは気になりません。> |
〜Speedmaster PROFESSIONAL MARKII〜ref.MD145.034 1971年製 手巻き cal.861 17石 6振動ケース/41mm ラグ幅/20mm ドイツ製・茶オーストリッジ革ストラップ |
簡単にマークIIのバリエーションを述べますと、基本モデルであるST145014(ステンモデル)、グレーとオレンジ色のチェッカー柄が人気のST145014(SS)、そして14K・20ミクロンのゴールドカップが施されたMD145034、そして70年代後半にはクロノグラフのプッシャーにオートマチック・トリガー付きのモデルや、ベゼルの形状が通常のものとは異なり、5分間のカウントダウンが色鮮やかにプリントされたヨットモデルなども発売されていたようです。 オメガ本社のヴィンテージ・インフォメーションのJhon R.Diethelm氏によると、マークIIは実に70年代後半までカタログにリリースされていたロングラン・モデルということです。また私の所有するマークIIは1971年9月11日にスイスへ出荷されたものだという情報も頂きました。 奇しくも、長らく私の誕生年のスピマスを探していた私は、手元にあったお気に入りのマークIIがそれと判明し、誕生年スピマス探しに目出度く終止符を打つことができました。(笑)
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