
| 1968年、レマニア社の傑作ムーブメントをオメガ社用にリファインされたcal.321ムーブメントをより簡素化、そしてメンテナンスをより行いやすく、高精度にと開発された新ムーブメント・Cal.861が登場しました。そしてこのcal.861を搭載したスピードマスターはスピマス史上3機種。 すべてのスピードマスターの原型となり1957年の登場以来、殆どその容姿を変えることのなく今に続くスピードマスター・プロフェッショナル。そのプロフェッショナルの心臓であるムーブメントはそのままに当時の流行であった優雅な曲線を描くトノー(樽)型のケースを身に纏ったスピードマスター・プロフェッショナル・マークII。そして1982年にドイツ市場でのみ発売されたスピードマスター・ジャーマンモデル。同じムーブメントを搭載しながらもその容姿は三者三様。特にスピマスプロはすでに所有していて次のスピードマスターを購入しようと思っている方々の参考になればと思いこの3機のスピードマスターを比較してみました。 |
ref.PIC3597.1800 Speedmaster PROFESSIONAL "MISSIONS" |
ref.MD145.034 Speedmaster PROFESIONAL MARK II |
ref.345.0803/145.0040 Speedmaster "German modell" |
コレクションの中で一番現行モデルに近いタイプのスピードマスタ−・Pro。SSブレスは一代前のタイプ、1499/842が装着されています。今回はこのモデルを基本として検証していきましょう。 1998年製。 |
トノーケースの流線型のラインが優雅なマークII。マークIIは写真で見るとスピマス・プロよりもかなりデカ厚に見えます。 入手の際の最大の懸念材料はそのサイズ。マークIIは果たして本当にデカ厚なのでしょうか? 1971年製。 |
ブレス一体型の流線型のシルエットが印象的なこのモデル。小さめのリューズ。プロとは完全に異なる外見のスピマスです。本数が少ない為かこのモデルに関する情報はネット上にも余りありません。 1982年製。 |
|
|
|
| まずは時計の全長、ラグからラグまでを測ってみました。時計の直径が小さくても長いラグを持つ時計は腕に巻いた時に大きく感じます。 | ラグがケース内に収められているマークIIはプロよりも約2.5mm短いです。プロよりも長く見えるマークII。実は短いのです。 | マークII同様ラグがケースと一体式のジャーマンモデルはマークIIよりさらに短い44.82mm。プロとのその差は約3mm! |
比較2:全幅
|
|
|
| 通常時計の直径はリューズを入れずに計るのですがココではリューズ込みの直径を計ってみました。(ジャーマンモデルのケースが特殊な形状の為) | 中心部が優雅に膨らむ樽型ケースは、やはりプロよりも幅広の43.75mm。といっても0.5mm程度の違いしかないのですが。。。 | リューズ側が美しく富士山のようにせり上がるジャーマンモデルは一番幅の広い45.01mm。プロよりもおよそ2mmも幅広です。3本の中で一番幅広です。 |
比較3:ベゼル径
|
|
|
| ベゼルの直径です。プロの場合これが実質的なケース径ということになります。カタログ公称は40mm。リューズ部の張り出しの為です。 | ベゼルがミネラルガラス風防にはめ込み式のマークIIの径を計るのは困難。テンションリングと風防の厚みが無い分プロより3mm程小さい値です。 | 文字盤自体はプロよりも小さいジャーマン。しかしベゼル径は0.7mm減と殆ど変わりません。一体成形に見えるベゼルは取り外し可。 |
比較4:厚さ
|
|
|
| 計測には厳しいポジションでしたが、時計の厚さです。ドーム型の風防の為厚いと思われたプロは約14mm。意外と厚くはありませんでした。 | 3本の中でやはり一番厚かったのはマークII。プロより約0.4mm厚いです。しかしマークIIは風防一体型のケース。確かに厚いですね。 | 以外にも3本の中で一番薄かったのはこのジャーマンモデル。プロよりも薄めの裏蓋、平らなガラス風防の為でしょうか。 |
検証1:重量
|
|
|
| さて、今回一番気になったのがこの時計本体の重量。現行のプロはオールド物に比べてブレスが格段に重くなっているので重く感じますが、時計本体は僅か63g。軽いですね。 | 装着感は一番重いマークII。プロよりも27g増。僅か27gが腕につけるとこんなに違うのかと大変驚きました。上で述べた厚さの違いも僅か0.4mm。何故こんなに重く感じるのでしょう。 | ジャーマンモデルはブレスを外すのが面倒というWatterさんの助言により、時計本体からブレス(補修用)重量を引いての値を出しました。時計本体は80g。プロとは反対にブレスがとても薄くて軽いのです。 |
検証2:裏蓋・刻印
|
![]() |
|
| プロの一般的な裏蓋です。シーホースの刻印はかなり深く、長時間装着していると腕にスタンプの如く跡が付きます。(笑) 重量11g。インナーキャップは僅か1g。ちなみに裏スケ蓋も同様に11gです。 | プロに比べるとかなり平らな感じのマークIIの裏蓋。重量はプロよりも1g軽い10g。ケースが分厚く重い分、裏蓋は出来るだけ薄く軽くしたのかもしれません。シーホースの刻印はかなり浅いです。 | プロとマークIIのシーホース刻印には”Speedmaster”と彫られていますがジャーマンモデルには何故かシーマスターの刻印が。メダル下の861はムーブメントナンバー。裏蓋はこのモデルのみはめ込み式です。 |
|
|
|
| 裏蓋内側には前面にペラルージュ(渦巻き)加工が施されています。右側に6X、レフナンバーは1450022と3450022が併記されています。 | マークIIの裏蓋内側にはペラルージュ加工は無く、レコード引きの仕上げとなっています。中心部には金張りに関する刻印。レフナンバーは145.034。 | ジャーマンモデルにも全面ペラルージュ加工が施されています。プロとの違いは中心に円、両側にオメガ社の刻印。レフナンバーは1450040と3450803。 |
検証3:ムーブメント
|
|
|
| ロジウムメッキが美しいcal.1861。90年代に金メッキに変更され、90年代終りにロジウムメッキが施された1861ムーブメントになりました。使用されるルビーも、17石から18石に変更。 | 861登場直後の71年製のムーブメント。初期の861のクロノグラフ・ストップレバーはこのムーブメントのように金属製でした。赤金メッキは時代と当然保存状態によって色が異なります。 | ジャーマンモデルには赤金メッキ時代の中期のムーブメントが使用されています。マークIIのムーブメントと異なりストップレバーはプラスティック製。スナップバックの為か赤金メッキはかなり退色しています。 |
|
|
|
検証4:装着感
|
|
|
| 僕の腕周りは約18cm。手首の直径は6.5cm程です。1499ブレスの場合4駒詰めてちょうど良い感じです。 | 全長はプロよりも短いものの、3本の中で一番重い為か装着時にとても塊感があります。最初は気になる重さも裏蓋形状の為かその後はあまり気になりません。 | 他の2本に比べるととても軽快な装着感。ブレスの素材が薄い為か、時計がずれる事が多々あり。時計本体に対してブレスが軽量すぎる感があります。 |
|
|
|
| 僕にとってデフォルトな装着感。ラグ形状の為か時計の座りは非常に良く、大きさをあまり感じません。プロはブレス形状によってかなり装着感が変わります。 | やはり身に着けていても、3本の中で一番厚い感じがします。この時計を装着している時はぶつけない様に気を使います。(笑) | 時計自体が薄いためかあまりぶつけたりすることもありません。リューズはプロよりも張り出しているものの手を圧迫することはありません。 |
まとめ
| とりあえず思いつく限りに861搭載のスピードマスター3本を比較検証してみました。同じムーブメントを搭載しているとはいえそのキャラクターや装着感は三者三様。血の繋がりはあるものの、まるで正確のまったく違う3兄弟のようですね。(笑) 残念なのはマークIIは革バンド仕様でしかも金側のため他の2本のSSモデルとは少々違う印象を与えてしまう点でしょうか。 個人的観点による使い勝手は、当然普段使い慣れているプロフェッショナルが一番に違和感無く使用できますが、着けていて一番人の目を引くのが金のマークII。この時計をつけていると必ずといって良い程、時計に対するコメントを頂きます。
また今回はじめて比較写真に挑戦してみましたが思いのほか難しく、写真によっては比率が異なる事がありますが(汗)次なるスピマスの入手の際の参考になれば幸いです。 2005年2月19日 buck |
