| 1957年、スピードマスターの1stモデルが発表されました。30分計、12時間積算計、タキメーターを装備したクロノグラフは当時どのような存在だったのでしょう。 その数年後、スピードマスターを一躍有名にしたのがアメリカNASA航空宇宙局によるオフィシャル認定です。 NASAの多岐に亘る過酷なテストをパスできた唯一の時計がこのスピードマスターでした。もともとスピードマスターはカーレースなどのモータースポーツシーンでの使用を想定し、耐震性、耐磁性、耐久性を従来のモデルより強化された作りが、NASAのテストによってより明確にその強固なまでの耐久性が証明された形になりました。 その後NASA・アポロ計画により達成された、人類初の月着陸の際使用されていたのもこのスピードマスターです。これによりスピードマスターは”ムーン・ウッォチ”の名を冠することになり、現在も宇宙での活動に使われ続けています。また90年代後半には次世代モデル”X−33”が発表されました。スピードマスタープロフェッショナルには大まかに分けますと、cal.321を搭載した1st〜4thモデル、60年代後半登場のcal.321をより大量生産向けにモディファイされたcal.861搭載の5thモデル以降になります。cal.321からcal.861へのもっとも大きな変更は、ピラーホイールが省略され、5振動から6振動に変更されたことでしょう。 スピードマスタープロフェショナルには基本のref.3570.50の他、その美しいムーブを見ることのできる裏スケルトンモデル、各種記念限定モデル、地域限定モデル、果てはプロトタイプや過渡期モデルなどバリエーションは豊富で、そのすべてのモデルを把握するのは非常に困難です。
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INTRODUCTION私が始めてスピードマスターを目にしたのが高校生の頃。勿論当時はオメガの時計など高価な時計を購入できる筈もなく、時計屋さんのショーウインドウを恨めしく眺めているだけでした。 私の初スピードマスターはプロフェッショナルではなく、コレクションでも紹介しているオート・デイトでした。勿論この時計も素晴らしい物ですが、プロフェッショナルを目にする度に「う〜ん、やっぱりあの大きさがスピマスだ。」などと一人で唸っておりました。 そんな時、たまたま訪れていた街の時計屋さんで”MISSIONS APOLLO 15”を発見。 おじゃるさんのHP”Welcome to スピードマスター”のBBSの常連の皆さんのアドバイスの下、ついに念願のプロフェショナル購入となったのでした。 そんな訳で私は特別時計に詳しいとはいえませんが、私なりのスピードマスター使用雑記を述べていきたいと思います。 |
CASE
ケースは1st〜3rdモデルに使用されたストレートラグ、リューズガード無しのものと、4th以降現在まで使用されている、非常に完成されたデザインのリューズガード有りのものとに分別されます。 特に4thモデル以降に採用されているラグ形状はオメガ社の中でも傑作で、モデルチェンジ、モデルバリエーションの多いオメガ社のラインナップにおいて不動のデザインとなっています。 4th以降のケースも初期の物、70年代、80年代、現在と微妙に大きさやラグの形状が違っています。 当初心配していたケースのサイズですが、腕にはめてみますとケースの座りは良好で、41mmのフルサイズながらあまりその大きさを感じません。 ケースの厚さはおよそ1.1cmとあまり厚くはありません。またラグ幅は20mm、3rdまでのクラウンガード無しは19mmとなっています。 またムーブメントは3重に保護されており、外側から裏蓋、インナーカバー、インナーリングがスピードマスターの耐震、耐磁性に貢献しています。 |
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BRACELET現行スピードマスターにはSS(ステンレス)ブレスレット使用の3570.50と革ベルト使用の3870.50があります。 今現在、SSブレスはref.1998が標準仕様となっています。これは60〜70年頃のブレスに比べると非常に重く、厚くなっていますが高級感は格段に向上しています。 スピードマスターのブレスの変遷については、おじゃるさんのHP”Welcom to スピードマスター”のスピマス裏技MISSION:9を参考にされると、ブレスの種類の豊富さ、形状の違いがわかると思います。 ちなみにSSブレス、特にバックルには傷が付き易いです。これは使用すれば当然のことながら、いつまでも付きまとう大きな問題ですが、私の場合ブレスの傷よりも”伸び”の方が気になります。 傷は共に過ごした証ですが、伸びてしまったベルトはなんとも。。。悲しさだけが込み上げてきます。(笑) またスピードマスタープロが大きい、と思われる方は是非一度革ベルトをお試しください。革ベルトに替えることによりスピマスの重さ・大きさをあまり感じなくなり、時計の”座り”が良くなると思います。 革ベルトは色も材質も豊富で好みの一品が必ず見つかるはずです。 |
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DIALスピードマスターの視認性は抜群です。黒のダイアルに白のバーインデックス、バーハンドは星の数程あるクロノグラフの中でもトップレベルの視認性を誇っていると思います。 例えば私が所有している66年製の145−012などは、夜光蛍光塗料が完全に剥がれ落ちてしまっていますが、夜間屋外ではかすかな月明かりの下などでも問題なく時刻の確認ができる程です。 基本的なダイアルデザインは1stから現在まで受け継がれているものの、ダイアルも時代と共に変化しています。 1st〜4th(1部の5th)まではオメガのマークがアブライトと呼ばれる埋め込み式のメタルの物が使用されていましたが、5th以降はプリントとなっています。 また、90年代後半よりいままで使用されていたトリチウム夜光塗料からスーパールミノバ夜光塗料に変更されました。 新しい夜光塗料は蓄光初期は強烈に光りますが、3分程度でほのかな光に変貌してしまいます。この夜光塗料の変化に伴い、ダイアル下方の表記も"T SWISS MAID T”から”T”無しの表記に変更になりました。 |
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PUSCHER,CROWN & BEZEL2時位置にあるのがクロノグラフ・スタートプッシャー、9時位置にあるのがリューズ、4時位置にあるのがクロノグラフ・ストッププッシャーです。 クロノグラフを使用するときにはこのプッシャーによりスタート・ストップを行いますが、ストッププッシャーをいきなり押してはいけません。 時計が壊れてしまいます。 プッシャーの使用感は非常に良好で、打ち込み時の感触は数あるクロノグラフの中でもトップレベルだと思います。 ベゼルには1stモデルとその復刻版に使用されているステンレスタイプ、2ndのごく初期のモデルにのみ使用されたタイプ、その後現在まで使用されている”TACHMETRE”60〜500のものがあります。 しかし2ndモデル以降のベゼルも年代によって、微妙にプリントの字体が変わっています。 その他、特別注文でのみ受け付けられたパルスメータ、テレメーター、デジマルメーターなどもあります。 このベゼルはスピードマスターの”顔”を大きく左右する物であり、ベゼルによりスピードマスターのデザインは完成されるといっても過言はないでしょう。 |
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CRYSTALクリスタル(風防)には現在、殆どの時計に採用されているサファイア・クリスタル風防ではなく、プラ風防が今現在も採用されています。 私も購入前はこの”プラ風防”というところが気に係り、購入まで非常に悩みました。ところが実際に手にしていみますと、このプラ風防が持つ暖かさがなんとも良い感じで、今ではすっかりプラ風防ファンです。(笑) プラ風防の気に入っている点を挙げますと、まず風防の透明感がなんとも柔らかく、特にドーム型のカーブの部分の柔らかさがサファイア・クリスタルにはない暖かさを感じます。また良く心配される風防の傷ですが、細かい物は市販のコンパウンド(私は”POLYWATCH"なるものを使用しています。)で落とせますし、少し深めの傷も時計士さんにお願いしてポリッシュ(研磨)して頂くと見違えるように綺麗になります。 もしも深いあて傷やひびを入れてしまった場合なども$15〜25程で新品を購入することができます。スピードマスター・プロフェッショナルの場合、ある意味風防は消耗品として考えた方が良いかもしれません。2 |
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HOW TO START Speedmasterスピードマスター・プロフェッショナルは手巻きです。まずは3時位置についているリューズを12時方向に巻き上げる事によって時計を始動させることができます。 新品の物を始めて巻き上げる際、固体によっては非常に重く感じるかもしれませんが心配ありません。使用と共に徐々に軽くなって来るはずです。 また巻き上げ方法ですが、これは各氏、諸々の説があります。私の場合12時方向に1回巻き上げると6時方向に巻き戻すということを繰り返して最後まで巻き上げてます。 初めての手巻き時計を手にされた際、まず「何処まで巻き上げれば良いの?」という疑問がありますが、まずはゆっくりと徐々に竜頭を巻き上げてみましょう。そうするとある一定のところまで巻き上げると重くなり、それ以上巻き上げられなくなります。 これを何日か続けてみますと、自然に巻き上げの終わりのポイントも掴めてきます。通常、完全に巻き上げた状態で48時間のパワーリザーブがあります。 個人的にはこの毎日の巻き上げの儀式(?)がより一層時計に愛着を湧かせている様な気がします。 |
HOW TO SET THE TIMEさてさて次は時刻あわせですが、スピードマスタープロにはハック機能(秒針を止める)がありません。 時刻合わせをする際、まずはリューズを右側に引き出します。リューズを6時方向または12時方向に進めることによって時分針を動かすことができます。 これにより大まかな時刻をセットします。 そのあと私の場合、まず手元の電波時計にあわせて分針をあらかじめ1分程進めてあわせます。それと共にリューズを6時方向へ軽く圧力(?)をかける事によってスモールセコンド(秒針)を止めることができます。 この方法により秒針も正確にあわすことができます。しかしこの方法はムーブにストレスを与える為良くないということを耳にする事もありますが、今現在私のスピードマスター達は問題なく元気に時を刻んでいます。 またこの方法で1週間ほど同時刻に巻き上げ、時間あわせを繰り返し1日の誤差を調べて見ますと、”日差”というものがわかります。とても調子のよい固体ですと日差+1〜2秒という物もあるようですが、オメガ社の出荷基準はおよそ+20〜25秒というところらしいです。 私の所有している時計の標準日差は+15〜20秒、一番精度が出ているのものは+5秒というところです。クゥオーツ時計を使用されていた方にとっては「+20秒!」と驚かれるかもしれませんが、そこは機械時計。一日に20秒進むというのは普通なのです。アンティークの古い時計などは1日2〜3分という固体もあるようです。 |
関連HP / TZの大御所C.Maddox氏による、1970年代当時のオメガの取扱説明書及び各種ベゼルの使用方法について
”You and Your Omega:chronograph,chronostop,flightmaster”
スピードマスターに関することなら、まずここへ
オランダのR.J.Broer氏によるSpeedmasterのブレスレットについての考察
”The Speedmaster Professional bracelet & strap guide”
歴代スピードマスターの特徴の詳細を美しい写真で解説。数種類存在するスピードマスターのベゼルのコンプリート・コレクション揃える貴重なHP